日本時間11月15日に行われたロサンゼルス・クリッパーズ対デンバー・ナゲッツは108対111でナゲッツが接戦を制し勝利しました。
クリッパーズは今回の敗戦で6連敗を喫し、ハーデンをトレードで加入後は1勝も挙げることができずに5連敗と厳しいシーズン序盤を過ごしています。
ハーデンのトレード
昨シーズンが終了し、オフシーズンで多くのチームがトレードやFAで補強を行う中でシクサーズはチームのセカンドオプションであり、昨シーズンアシスト王を獲得して円ビードのMVP獲得にも貢献したジェームズ・ハーデンがシクサーズのGMダリル・モーリーに対して、嘘つきなどと非難をし、トレードを要求していることが問題となっていました。
ハーデンはキャンプについても、一部しか参加せず、試合にも帯同しないという態度を貫いていました。
シクサーズとしては大きな契約を渡しているにもかかわらず、プレーをしないハーデンをチームに置いておくメリットもないため、シーズン開始前からトレード先を探していましたが、シーズンが開始していました。
そんな状況で日本時間11月2日にシクサーズとクリッパーズがハーデンを含む、トレードを成立させました。
トレードの内容は以下になります。
クリッパーズ獲得
ジェームズ・ハーデン
PJ・タッカー
フィリップ・ペトゥルシェフ
76ers獲得
マーカス・モリスSr.
ニコラ・バトゥーム
ロバート・コビントン
ケニオン・マーティンJr.
2026年のクリッパーズのドラフト1巡目指名権(サンダー経由)
2028年のクリッパーズのドラフト1巡目指名権(保護条件なし)
2029年のドラフト1巡目指名権交換権
シクサーズはハーデンに加え、パワーフォワードのP・J・タッカーを放出しました。
タッカーはディフェンスとフィジカルを生かしたプレーが得意な選手で2020年にはバックスで相手のエースを止める役を担い、KDやデビン・ブッカーを抑えて、チームを優勝に導いています。コーナーの3ポイントも得意であり、味方のスペースも開けることができるため、どのチームも欲しがる選手となります。
反対にクリッパーズは、選手層が厚かったウイングを多く輩出することでハーデンとタッカーを獲得しました。バトゥーム、モリス、コビントンはサイズのあるウイングで3ポイントも高確率で決めることができます。また、ディフェンスも複数ポジションを守れるため、エンビードやマキシーの隣に置くにはとてもいいフィットだと感じます。
両チームのフィット
今回行われたこのトレードで獲得した選手のフィットはどうなのか。
クリッパーズは役割がかぶっていたウィングプレイヤーを放出し、ゲームメイクできるガードを手に入れました。ハーデンは過去得点王に輝いたこともあるほど、その気になれば得点を量産できる能力があります。ただ、近年のハーデンはポイント・ガードとして、アシストに徹しており、得点こそ減ったもののアシスト王に輝く活躍を見せています。クリッパーズには得点をとれるポール・ジョージとカワイ・レナードというダブルエースがいるため、ハーデンはプレイメイクの役割を担うと思います。ただ、二人がいないときには第3のオプションで得点をとれる選手がいることはクリッパーズにとって、大きな意味を持つことになります。PGとレナードもけがの多い選手なので、ハーデンの存在は大きいでしょう。
プレイメイクとしてはウェストブルックがいるものの、ウェストブルックの調子が良くないときにもう一人プレイメイクできる存在がいることでよりゲームを優勢に運ぶことができるようになるでしょう。
P・J・タッカーもウイングのディフェンダーが抜けてしまった中で、中外両方のエース格を抑えることができるタッカーのディフェンスもクリッパーズには欠かせないものになるでしょう。
シクサーズはプレーしないハーデンをただ放出するのではなく、シクサーズに不足していたサイズのあるウイングを獲得しました。
コビントンやバトゥームはサイズがあり、インサイドからウイングまで多くのポジションを守ることができます。また、スリーポイントを得意としており、インサイドを主戦場とする昨年度MVPのジョエル・エンビードのためのスペースを確保することができます。
また、今年ブレイクしているタイリース・マキシーも高確率のアウトサイドとスピードを生かしたドライブで得点を重ねていく選手のため、スペースを作れるコビントンやバトゥームのフィットはいいのではと思います。
ほかにもマーカス・モリスも獲得しており、モリスは外角が得意でサイズもあり、1対1やキャッチ&シュートなどで得点を取ることができます。ハーデンがいなくなった今、エンビードやマキシーがいない時間帯にそのような得点をクリエイトできる選手はシクサーズにとって、貴重な存在でしょう。
ハーデン加入後5連敗
ハーデン加入後、クリッパーズは一気に戦力をあげたかと思いましたが、予想とは裏腹に一勝が遠く、チームとして6連敗を喫する厳しい状況になりました。
チームとしては、ハーデン加入後も大部分は変わっていないにも関わらず、接戦で競り負ける展開が多くなっています。
チーム内の空気も最悪になっており、エースであるレナードもイラつきを隠すことができず、チームメイトに怒っている様子も見られます。
そのような事態に陥った要因としてはハーデンの役割がほかの選手と被り、ハーデンがまだチームにうまくフィットできないのがあげられます。
シクサーズにトレードされたプレイヤーと違い、ハーデンはスーパースターです。
ロールプレイヤーではないこそ、チームのスタイルに自分のスタイルを融合させるのに時間がかかってしまいます。積極的に点を取りに行こうとすると、PGやレナードが乗れず、チームとして勢いがなくなってしまい、アシストに徹するとレナードやPGにマークが集中してしまい、得点が停滞してしまう状態になっています。
クリッパーズが勝利を挙げるには本来の得点を取りに行きつつ、ゲームメイクができるハーデンにアジャストが必要になります。
まとめ
6連敗を喫し、一気にウエスタン・カンファレンスの順位を下げてしまったクリッパーズですが、ここから巻き返すことができるのでしょうか。
ハーデンは本来の力を発揮し、勝利に導くことができるのか見どころです!
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