NBAファイナル
今シーズンのNBAも最終局面となり、ついにチャンピオンが決定します。
NBAファイナルではウエスタン・カンファレンス1位シードのデンバー・ナゲッツ対イースタン・カンファレンス8位のマイアミ・ヒートの1戦が行われました。
ナゲッツは今年レギュラーシーズンで圧巻の強さを見せ、カンファレンス1位としてプレイオフに進出しました。
プレイオフでもウルブズ、サンズ、レイカーズに勝利し、ナゲッツとして初のファイナル進出を決めました。
対するヒートはレギュラーシーズンでは思った通りのシーズンを送れず、プレイイン・トーナメントでなんとか8位シードを獲得し、プレイオフ進出を果たしました。
プレイオフ1回戦では衝撃の第1シードであるバックスに勝利し、その勢いのまま第5シードのニックス、第2シードのセルティックスと上位シードに次々と勝利してファイナルに進出しました。
総力戦のファイナル
ファイナルでは1回戦ナゲッツがホーム無敗記録を更新し、ヒートに勝利しましたが、続く2戦目はヒートがゾーンなど多様にわたる戦略でナゲッツを翻弄し、ナゲッツのホームコートで初の勝利を挙げ、シリーズをタイに戻しました。
続くヒートのホームとなった3戦目はナゲッツのエースのニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーの2選手が30点越えのトリプルダブルを記録し、ヒートに勝利しました。
4戦では勝ったら優勝に大手をかけられるナゲッツはヨキッチを中心に全員がバランスよく得点を挙げ、その中でもアーロン・ゴードンがチームハイの得点でヒートに勝利し、チャンピオンに大手をかけました。
5戦目は負けたら終わりのヒートと勝ったらチーム初のチャンピオンのナゲッツの一進一退の攻防が続きます。
序盤はヒートがリードするもナゲッツが追いつき、逆転、その後終盤にナゲッツがリードを広げますが、ジミー・バトラーが連続得点で再逆転とリードチェンジが続く展開が続きました。
勝負が決まったのは4クォーター残り8秒でした。ナゲッツが5点リードの中、同点に追いつく希望をかけたヒートの3ポイントシュートはリングに弾かれ、ナゲッツのファンや選手は歓喜の渦に包まれました。
優勝にはあと1歩届かなかったヒート
ヒートが今季ファイナルに進出すると予想した人は多くないでしょう。
それほどヒートのプレイオフは衝撃でした。
優勝候補のバックスをジミー・バトラーなどのとんでもないパフォーマンスで撃破し、ドラフト下位指名やドラフト外選手の活躍でファイナルまで登りつめ、怪我人の多い中、ナゲッツを苦しめました。
単純なタレントの差ではプレイオフ進出チームの中でも下から数えたほうが早いくらい今季のヒートは怪我人やチームの問題が発生していました。
ハンドラーやシューター、時には勝負どころもボール預けられるタイラー・ヒーローのプレイオフ1回戦での怪我や同じくオールスター選出経験もあり、得点、ハンドラー、DF面でも大きく貢献できるビクター・オラディポなど主力を多く欠く状態でした。
そんな中躍進したのがドラフト外選手でした。
ゲイブ・ビンセントはドラフト外ながらチームの中心として、得点、DF面で大きく評価
を上げました。ヒートにはカイル・ラウリーというオールスターポイントガードがいるなか、スターターを務め、カンファレンスセミファイナルでは相手のジェイレン・ブランソンにオールコートでプレッシャーを与え、カンファレンス・ファイナルではセルティックス相手にハンドラーとして、セルティックスの強固なDFを突破するきっかけにもなりました。
ケイレブ・マーティンもドラフト外選手ながらこのプレイオフで大きく評価を上げた選手です。マーティンはDFとしてとても優秀でプレイオフでは相手のエース級相手にハードなDFをしてきました。
また、マーティンはDFだけではなく、カンファレンス・ファイナルでは密着マークにあっているバトラーの代わりに26得点を挙げる活躍をするなど、間違いなくヒートがファイナルに進出できた大きな要素となりました。
今回ナゲッツに惜しくも負けてしまったヒートですが、バトラーは2回目のファイナルで2回ともチャンピオンを逃す結果となりました。
今季の「プレイオフ・ジミー」はすさまじく間違いなく大きく評価を上げたことでしょう。
ただ、バトラーの目指す優勝をするにはバトラー以外の補強も必要と感じます。
バム・アデバヨは優秀なセンターですが、少しアンダーサイズのため、サイズのあるセンターが必要です。また、ヒートはスモールラインアップを多用せざる得ないほど、サイズのあるパワーフォワードがいない状況です。それもオフシーズンに解決しないといけない問題になりそうです。
もし、補強ができ、来年優勝を目指せるチームでプレイオフに進出できたのであれば、ヒートは優勝により近づくことができるでしょう。
デンバー・ナゲッツの優勝
デンバー・ナゲッツはチーム発足以来、初のNBAチャンピオンとなりました。
そしてNBAの歴史に残るようなパフォーマンスを残したヨキッチはファイナルMVPに選ばれました。
ナゲッツの今季は完璧なシーズンになったと言えるでしょう。
ナゲッツの強さの要因はもちろんヨキッチにありますが、それ以上に周りの選手にあると感じます。
昨年からナゲッツに加入したアーロン・ゴードンはヨキッチの隣に置くには最高の選手でロブを上げたり、ゴール下でパスを受ければ、ダンクで得点をし、ヨキッチがいない時間帯はファーストオプションとして自ら得点を取ることもできます。
ディフェンスではサイズのある相手からスピードのあるガードの選手まで守ることができるディフェンス力があります。
他にも今季獲得したKCPは3ポイントが打て、ディフェンス力がある選手です。
また、カッティングからのフィニッシュもうまく、ヨキッチのプレースタイルにフィットする選手です。
ブルース・ブラウンも同様に身体能力が高く、カッティングからの得点やフィジカルなディフェンス、3ポイントも打て、ヨキッチのサポートには適した選手です。
こうした選手を獲得し、周りに置くことでヨキッチがより止められない選手になります。1対1ではヨキッチは止められず、ヘルプやダブルチーム、ディフェンスが少しでもよれば、外で待っているKCPやMPJにボールをさばき、3ポイントを決められ、外にディフェンス
が広がれば、インサイドのゴードンにパスを出します。
こうしたシンプルだけど、止められないオフェンスをナゲッツが展開できたことが今回の優勝へとつながったと感じます。
今回優勝したことによって来期は連覇を目指すことでしょう。
今のロスターを維持することができれば、連覇する可能性はとても高いでしょう。
まとめ
今シーズンのチャンピオンはナゲッツとなりましたが、ヒートもプレイインからファイナル進出と素晴らしいシーズンを過ごしました。
また、ファイナルではとても熱戦をしてくれたと感じます。
その中には様々なドラマがあり、スポーツを通して感動を与えてくれます。
その感動の反面、今シーズンが終わってしまう寂しさはありますが、オフシーズンにはトレード、サマーリーグ、ドラフトと様々な楽しみもあります。
来期はどのチームが優勝するのか、どんなドラマが待ち受けているのか、それを今から楽しみに待ちたいと思います。
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