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2022-23気になるトピック(前編)

●オンコート編

シーズン中にあった、さまざまなトピックをチョイスさせていただきます。

皆さんもきっと気になった事があったはず。アレが入ってないよ!コレも入ってないよ!そういう声が聞こえてきそう!まずは「オンコート編」。コート上に関わるトピックからレッツゴー!

後編では「オフコート編」をお届け予定です。

1. 指揮官たちの移籍

リーグ優勝経験があり、最優秀ヘッドコーチ賞の実績をもつ大野篤史HC、安齋竜三HCの移籍の決断には衝撃が走りました。予期していなかったファン・ブースターが多かったはずですし、両指揮官が大きなプレッシャーの中でチームを率いていたことが分かる、開幕前の大きな出来事でした。ただ新天地でもすぐにそれぞれの立場で結果を出し、改めて千葉ジェッツ・宇都宮ブレックスでの実績が、再評価されたシーズンだったと思います。

 またシーズン終了後に三河・鈴木喜美一ヘッドコーチが退任を表明され、数々の功績を残し、次のチャレンジに進むというビッグニュースもありました。

 

●大野篤史HC(2016-22千葉J)

・天皇杯制覇 3回

・2020-21 Bリーグチャンピオン

→三遠へHCとして移籍


●安齋竜三HC(2007-13宇都宮・選手/2013-22宇都宮・コーチ)

・2016-17 Bリーグチャンピオン

・2021-22 Bリーグチャンピオン

(Bリーグ創設以降)

→越谷へアドバイザーとして移籍


●鈴木貴美一HC(1995-2023三河28年間)

・通算勝利数 813勝

・天皇杯制覇 9回

・リーグ制覇 6回

→最終戦後に退任を表明



2. HCチャレンジの導入

今シーズンよりFIBAが定めた新ルール「ヘッドコーチチャレンジ」が、IRS(インスタント・リプレイ・システム)使用環境がある、B1から運用開始されました。ルールの浸透度がまだ浅いシーズン序盤には、運用方法やNBAとの違いに戸惑うシーンが見られました。各国でも運用開始に伴い、いろんな参考シチュエーションが生まれたはずです。新シーズンには、なにかしらのアップデートがあるかもしれません。またB1以外のカテゴリーにもHCCが採用されるのかも、気になるところです。



3. B. LEAGUE ASIA RISING STAR GAME

「ドットエスティ B. LEAGUE ALL-STAR GAME 2023 IN MITO」が、2023年 1月13・14日(金・土)に茨城県水戸市にて、3年ぶりに本開催されました。そこで今回から新しいゲームとしてB.LEAGUE ASIA RISING STAR GAMEがDAY1に行われ、ASIA ALL-STARSにはアジア枠別枠でプレーしている選手たちが。一方のRISING STARSはU26世代の日本人選手たちがプレーし、大いに盛り上げてくれました。アジア各国に広くBリーグを知ってもらう機会として、メディア側も継続的に取り上げていくべきゲームを披露してくれました。

久しぶりの本開催の楽しみを味合わせてくれたのと同時に、水曜・公式戦をこなしたあとの、金・土のオールスター開催。さらにオールスター終了後に水曜・公式戦が待ち受けるという、難しいスケジュールでもありました。Wリーグでは、シーズンが終了してからオールスターを行ったことにより、プレッシャーから解放された選手たちによる、盛り上げ方が話題に。外国籍選手の帰国や、契約で拘束できる日程がシーズンの終わり方によって統一できない、ガチンコだ!エンタメだ!などなど議論はあるものの、選手の選考方法を含めて、いろいろな可能性を模索していく過程もオープンになると、ファン・ブースターもさらに楽しめるかもしれませんね。



4. CS枠・残留プレーオフの是非

声出し応援の復活により、チャンピオンシップは大きく盛り上がった印象でした。ただ下記のシーズン推移をみても、18チームで8枠を争っていた時代に比べると、賛否が分かれる表現ですが、消化試合といわれる節がシーズン後半に多いかな?と感じた方もいるかもれしれません。また熾烈な降格争いも、最終節までもつれました。終盤に不戦勝が起きるなど、多くの人生を動かす降格についても、過去にはあった、残留プレーオフを望む声が多かった気がします。いずれも開幕前から決まっていたことですが、後半戦も盛り上がり続けるベストなレギュレーションを、これからもリーグが模索し続けてくれると思います。楽しみに待ちましょう!

 

2016-17 CS枠8/全体18チーム(3地区制)

優勝・栃木ブレックス

2017-18 CS枠8/全体18チーム(3地区制)

優勝・アルバルク東京

2018-19 CS枠8/全体18チーム(3地区制)

優勝・アルバルク東京

2019-20 CS枠8/全体18チーム(3地区制)

コロナ打ち切り

2020-21 CS枠8/全体20チーム(2地区制)

優勝・千葉ジェッツ

2021-22 CS枠8/全体22チーム(2地区制)

優勝・宇都宮ブレックス

2022-23 CS枠8/全体24チーム(3地区制)

優勝・琉球ゴールデンキングス



5. 多かった?大ケガやHC交代

この2~3シーズンで増えた印象のある、アキレス腱、前十字靭帯、シンプルじゃない骨折など、キャリアに大きな影響を及ぼすケガのニュース。シーズン終盤には信州・名古屋Dなどで、コロナ以外の理由も含めたロスター8人というゲームがみられ、新たな怪我リスクと心配されました。アメリカATCの資格を持ち、Bリーグチームで専属経験をもつプロトレーナーと意見交換した際、NBAや海外との比較で、連戦・強度・プレッシャー・時差・移動距離や方法などの比較意見もありましたが、与えられた環境でやるのがプロとはいえ、さまざまに重なる因果関係を、メディカルのプロたちの見解でみてみたいですね。選手会主導など、各チームの受傷経緯をアーカイブでずっと残しておくと、よりベストなゲームをファン・ブースターに届けられる、ケガ予防知識の蓄積になるかもしれません。

 また久しぶりに降格があるシーズンとなり、シーズン中にHC交代がおきたチームが多くありました。

滋賀では2度のHC交代が発生するなど、厳しい世界とはいえ、コーチングスタッフだけのせいにしていいのか。という声も多くとどきました。実績を持つコーチが多いだけに、来シーズンふたたび、リーグを盛り上げるチームを築き上げる仕事に携わって欲しいと、願うばかりです。

 

●北海道:佐古 賢一ヘッドコーチ

●新潟:平岡 富士貴ヘッドコーチ

●富山:浜口 炎ヘッドコーチ

●渋谷:伊佐 勉ヘッドコーチ

●滋賀:ルイス ギルヘッドコーチ


以上、5つの「オンコート編」トピックをご紹介させていただきました。皆さんも気になったトピックがあると思います。オフは移籍動向だけでなく、リーグ全体で起きた事柄にも目を向けてみると、マイチーム・マイ選手以外にも、Bリーグを楽しんでいただける要素が見つかるかも!次回は「オフコート編」をお届けします!

 (写真:筆者提供)

 

■過去コラム

 




バスケットボールコメンテーター

井口 基史(イグチ モトフミ)

1979年生まれ/鹿児島県出身

座右の銘

「一緒に日本のバスケを熱くしよう」



鹿児島南高-愛知学泉大-カリフォルニア州立大ベーカーズフィールド校-ベーカーズフィールドカレッジ出身。アメリカ留学後にFIBA国際代理人資格をアジア初の受験取得。国内プロリーグ発足後まもなく資格を返納しチームスタッフへ。富山-滋賀-岩手-大阪でスカウト/通訳/GM/スポンサー営業/球団社長を経験。現在はユース・プロ・日本代表までバスケットボール中継で熱量高めの解説を務める。



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